概要

"chocolate"の語源については、辞典などでナワトル語のチョコラトルが由来とされているが、アステカがスペインに征服される前にはチョコラトルという用例が無く、そもそもナワトル語には「チョコ」という言葉も「ラトル」という言葉も存在しないなど、はっきりしたことはわかっていない(ナワトル語でチョコレート飲料は「カカワトル(カカオの水)」)。一説によれば、スペイン人がマヤ語の「チョコル(熱い)」とアステカ語「アトル(水)」から作った新語だという。

チョコレートの製造工程としては、まず原料であるカカオ豆の収穫から始まる。収穫されたカカオ豆は豆を包むパルプとともにバナナの葉でくるむか木箱に入れて数日かけて発酵させ、その後天日で乾燥させたのち工場へと運ばれる。工場のほとんどはカカオの産地である熱帯地方ではなく温帯や冷帯に位置するため、ここで船によって輸送されるのが一般的である。工場に運ばれたカカオは、まず磁石で鉄を除き、風で埃を飛ばして、篩によって石を取り除き選別される。選別されたカカオは砕かれ、篩によって外皮と胚芽を取り除かれる。こうしてできたものはカカオニブと呼ばれる。カカオ豆をここで砕くのは、不ぞろいのカカオ豆を均一の大きさにし、後のロースト時に火がむらなく均一に通るようにするためである。

チョコレートは、製造時に概ね粒径約10 - 30μmに磨砕されるが、この粒径により完成したチョコレートの口溶けが変化する。粒径が大きいほど口溶けが早いが、大きすぎると口内に粒状感を生じ、ざらついた食感となる。粒径が小さいほど滑らかな食感となるが、小さすぎると口溶けが悪くなり、もたつき感を生ずる。また、粒径にあわせて固形分の表面積が変化するため、チョコレートに含有される油脂の量が同じでも、チョコレートの粘性や食感が異なるようになる。

固形チョコレートは一般的に、熱に弱く溶けやすい。過度に冷却したもの、融解・再結晶化したもの、長期間保存したものなどには白い色がつくことがある。この白い部分をブルームといい、このような現象をブルーミング現象という。ブルームが生じたものを食べても問題はないが、風味や味は落ちる。ファットブルーム (fat bloom) は、チョコレートの油脂成分のうち融点の低い部分が融解して表面に浮出し、再結晶化したものである。シュガーブルーム (sugar bloom)は、冷却時などにチョコレートの表面に水分が付着した際チョコレートの砂糖が水分に溶解し、その水分が蒸発した時に砂糖が析出したものである。

チョコレート職人になりたい

チョコレート職人と聞いてどのような仕事を思い浮かべるだろうか?ドルチェなどのコースを彩るお菓子はもちろん、洋菓子として売られているチョコレートもれっきとした職人の手による作品だ。チョコレート自体は子どもの頃に食べたお菓子とは一線を画すような、斬新アイデアが盛り込まれている。やはりチョコレート職人も日々の情報収集やインターネットにによる知識の享受は日々続ける必要がある。それもチョコレート職人よる日々の弛まない努力の賜物と言ってもいいだろう。チョコレートはもはやお菓子の域を超えた芸術作品と呼ぶものも多い。


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